【競馬】宝塚記念に乗り替わりで挑む「3強」の明暗

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 6月29日に行なわれるGI宝塚記念(阪神・芝2200m)。注目は、悲願のGIタイトルを目指すウインバリアシオン(牡6歳)に、GI6勝の牝馬ジェンティルドンナ(牝5歳)、そして、昨年の覇者でGI4勝のゴールドシップ(牡5歳)による「3強対決」である。いずれも現役トップクラスの実力の持ち主。どの馬が頂点に立っても不思議はない。

 そのうえで、馬券予想では3頭が持つ「共通点」によって、さらに頭を悩ませることになるだろう。それは今回、3頭ともに手綱をとる騎手が前走と変わる、ということだ。

 近年の競馬では、前走から騎手が変わる「乗り替わり」は決して珍しいことではない。ただし、GIで人気を分け合うほどの実績馬が、すべて乗り替わるケースは異例だ。当然、騎手が変わったことで、プラスにも、マイナスにも作用する可能性があり、レースは一層読みにくくなる。

天皇賞・春で2着と好走したウインバリアシオン(右)。左は勝ったフェノーメノ。天皇賞・春で2着と好走したウインバリアシオン(右)。左は勝ったフェノーメノ。 では、宝塚記念での3強の乗り替わりは、それぞれどんな影響を及ぼすのだろうか。

 今回の乗り替わりで最も不安がないのは、間違いなくウインバリアシオンだろう。前走のGI天皇賞・春(5月4日/京都・芝3200m)で2着だった同馬は、そのときの鞍上・武幸四郎騎手から岩田康誠騎手にスイッチするが、これは"形だけ"だからだ。もともとウインバリアシオンは、岩田騎手が騎乗して、昨年のGI有馬記念(2013年12月22日/中山・芝2500m)で2着と好走し、今春の日経賞(3月29日/中山・芝2500m)も快勝した。

 そもそも前走の天皇賞・春は、岩田騎手の騎乗停止で急きょ乗り替わりになったもの。宝塚記念では、むしろ「本来のコンビに戻った」と言える。当然、乗り替わりによる不安はない。

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