【競馬】ダービーも視野。「意外性の馬」レッドリヴェールを侮るな (3ページ目)
そもそもレッドリヴェールは、母ディソサードが20歳という高齢で産んだ馬。「高齢出産の仔は活躍しない」という定説がある中で、この成績を積み上げてきた。おまけに、父ステイゴールドは、数多くの活躍馬を輩出しているものの、その多くは牡馬。牝馬の産駒でGIを獲ったのは、同馬が初めてだった。
つまりレッドリヴェールは、「高齢出産の仔は活躍しない」「ステイゴールド産駒の牝馬は走らない」という競馬界の“ジンクス”までも打ち破ったと言える。まさに“意外性の馬”なのかもしれない。
阪神JFを勝ったレッドリヴェールは、その後、レースを使わず休養。直行で桜花賞へと向かう。このような臨戦過程も異例中の異例だが、レッドリヴェールは、この常識さえ不問に付してしまうのだろう。佐伯氏が語る。
「休み明けでも関係なく全力を出せることは、札幌2歳Sと阪神JFで証明済みですからね。また、体の細い馬なので、レースに使い続けて馬体重を減らすより、フレッシュな状態でレースに出たほうが、むしろ好材料。そのような理由から、迷わずに直行のプランで調整してきました」
桜花賞のあとは、牝馬同士のオークス(5月25日/東京・芝2400m)だけにとらわれず、日本ダービー(6月1日/東京・芝2400m)への参戦も視野に入れていると、佐伯氏は言う。
「ダービーは、オークスより1週間後の開催。レッドリヴェールは体の小さい馬ですし、これまで続けて使うということがなかったので、桜花賞からの馬体や疲労の回復が重要です。そういう意味で、1週とはいえ、より出走間隔が長くなるダービーも考えてはいるんですよ。ただ、これはあくまで選択肢のひとつ。『可能性もある』という話です。何より、まずは桜花賞でがんばってもらいたいですね」
阪神JFで2着に敗れたハープスターは、前哨戦のチューリップ賞(3月8日/阪神・芝1600m)を楽勝。再度、ポテンシャルの高さを見せつけた。佐伯氏も「ハープスターは相当強いので、勝つのは簡単ではないと覚悟しています」と、最大のライバルには警戒を強めたが、周囲を驚かせ続けてきたレッドリヴェールなら、三度、逆境をはねのけてもおかしくない。
“意外性の馬”レッドリヴェール。大一番となる春のクラシックでは、我々にどんな“驚き”をもたらしてくれるのだろうか。
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