【競馬】年度代表馬はオルフェーヴルよりロードカナロアがふさわしい!?

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 12月22日に行なわれた有馬記念(中山・芝2500m)では、同レースで引退するオルフェーヴル(牡5歳)が圧巻のレースを披露。多くのファンが見守る中、2着に8馬身の差をつける"怪物"らしい強さを発揮して有終の美を飾った。そして翌12月23日、中央競馬(JRA)は、2013年のすべての開催が終了した。

 新シーズンを迎えるにあたって、その前に気になるのが、2013年の年度代表馬の行方だ。

 JRA賞年度代表馬とは、中央競馬における年間MVPに当たるもので、最優秀2歳牡馬・牝馬、最優秀3歳牡馬・牝馬、最優秀4歳以上牡馬・牝馬、最優秀短距離馬、最優秀ダートホース、最優秀障害馬の9部門で選出された馬の中から選ばれる。選出方法は、新聞・放送メディアの競馬担当記者による投票となっており、毎年その行方は競馬ファンの注目を集めている。

香港スプリント連覇を飾ったロードカナロア。香港スプリント連覇を飾ったロードカナロア。 その年度代表馬に「今年こそ、選出されるべき」と早くから名前が挙がっているのが、香港スプリント(12月8日/香港・芝1200m)連覇を置き土産に引退したロードカナロア(牡5歳)だ。

「ロードカナロアって、ものすごいことを成し遂げているのに、なぜか国内の評価はそれほど高くないんですよね」と語るのは、在京のあるスポーツ紙の投票権を持たない競馬記者である。

 確かに、昨年の同表彰においても、ロードカナロアの評価はかなり低かった。もちろん香港スプリントを制したことで、「最優秀短距離馬」には、総数289票のうち、283票を集めて選出された。しかし「最優秀4歳以上牡馬」は、オルフェーヴルが273票を得て受賞。対するロードカナロアは、わずか14票という結果に終わったのだ。

 両者ともに、国内GIは1勝。オルフェーヴルは惜しかったものの、凱旋門賞(2012年10月7日/フランス・芝2400m)は2着だった。片や、ロードカナロアは凱旋門賞と同じぐらい難関とされる香港スプリント(2012年12月9日)で、日本調教馬として初の勝利を飾ったにもかかわらず、だ。

 必ずしもタイトルの数がすべてを決めるものではないのは十分に承知している。ジャパンカップ2着(2012年11月25日/東京・芝2400m)という結果を含めれば、オルフェーヴルが優勢であるかもしれないと想定していたが、これほどの大差がついた投票結果には正直驚きを隠せなかった。

 前述の記者が語る。

「ロードカナロアのGI初勝利となったスプリンターズS(2012年9月30日/中山・芝1200m)のニュースも、翌週の凱旋門賞に話題を全部持っていかれてしまった。日本調教馬による初の香港スプリント制覇も、ジェンティルドンナとオルフェーヴルが激しく争ったジャパンカップの後だったこともあって、印象が薄いみたいなんですよね......」

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