【プロレス】佐々木健介インタビュー「最高の体をつくって復帰しますよ!」

  • 中込勇気●取材・文 text by Nakagome Yuki
  • 乾 晋也●撮影 photo by Inui Shinya

「入門2ヵ月で20キロ痩せてしまった」と語る佐々木健介「入門2ヵ月で20キロ痩せてしまった」と語る佐々木健介頚椎椎間板ヘルニアとの闘い

日本マット界が誇る『マッスル・ボルケーノ』佐々木健介が10月26日、頚椎椎間板ヘルニアの手術に臨み無事成功。復帰への闘志を静かに燃やす佐々木を直撃した!

――今回、手術に踏み切った理由は?

佐々木 実は頚椎だけで3度目の手術だったんです。前回まではウチ(※自身の団体ダイヤモンド・リング)の若手が育ってなかったので無理して試合してきたんですけど、今はメインイベントを任せられるくらい若手も成長したので、ゆっくり治す時間ができたんですよ。復帰時期は未定ですが、万全の体をつくって出ていきたいなと思いますね。

――先日、古巣・新日本プロレスの中西学選手が頚椎の負傷から1年4ヵ月ぶりに奇跡のカムバックを果たしましたが、なにか思うところはありましたか?

佐々木 ちょっと前に中西から「大丈夫ですか?」って連絡がきたんですよ。病名は違うけど、同じ辛さをわかっている部分もありますから。首には神経がたくさん通っていて大事なところじゃないですか。そこに俺たちプロレスラーはダメージを受けますから。中西は同い年だし、「これからまた上を目指そう!」って気持ちで通じあえるものがありますよ。今は団体が違って離れてますけど中西の復帰は励みになるし、嬉しかったですね。

――首に負担をかけない軽いトレーニングは開始しているんですか?

佐々木 受け身とかはもちろんできないけど、軽いウエイトトレーニングは無理しない範囲で。ゆっくりじっくりね......ホントはすぐにでも動き出したいんだけど、今は我慢の時期なのかな(苦笑)。復帰するにしても最高の状態の自分じゃないと、相手にも失礼だしって気持ちもありますよね。

――「練習の虫」は、プロレス界に入る前の高校柔道部の時代から?

佐々木 高校生のときはこれ以上ないというくらいの練習量だったんで、プロレスに入ってもある程度はついていけるだろうと思ってたんですけど、プロの世界は甘くなかったですね。ジャパンプロレスに入ったとき、すでに体重が98キロあったんですが、入門2ヵ月で20キロ痩せてしまった(笑)。

――練習量がハンパなかった?

佐々木 練習量もそうだけど、先輩のコスチュームの洗濯とか雑用で忙しくて。当時はコインランドリーも少なかったんで、手洗いして宿のボイラー室を借りて乾かして......若い選手が少なかったから何人もの付き人をやってたので寝るのは午前4、5時。先輩を起こすために朝は7時ごろに起きてたから寝る時間もなかった。忙しくて食事もロクにとれないんですよ。あのころの僕の定食は食パンと秋刀魚(さんま)の蒲焼の缶詰。それで簡単に20キロ落ちましたね(笑)。

――これから育つ新弟子に十分な食事も睡眠も与えず、ヒドイ労働環境ですね!

佐々木 ハッハッハ(笑)。でももっと辛かったのは、話す相手がいなかったことですね。「今日の練習キツかったよな」とか愚痴を言う同期もいなくて、精神的にキツかった。

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