【競馬】岩田康誠「秋華賞に挑むジェンティルドンナは、ブエナ級の器」 (4ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

――それにしても、ジェンティルドンナという馬は、どこまで強くなるのでしょうか。

「たぶん同じ3歳世代なら、牡馬にも負けませんよ。ダービー馬のディープブリランテを相手にしてもひけをとらないと思うし、ひょっとするとジャパンカップに臨んでもいい勝負をするかもしれない。それくらいの器の馬です」

――岩田騎手のかつてのパートナー、女傑と呼ばれたブエナビスタと比べた場合はいかがでしょうか。

「能力は間違いなくブエナビスタ級だし、ブエナよりも上に行くだけの潜在能力はあると思っています。ただ、ブエナには独特のオーラがあって、人を引きつけたし、乗っているだけで幸せだと感じさせてくれました。ジェンティルドンナには、まだそこまでのモノはありません。今のところ、能力だけで走っているという感じです。これからもっと大人になって、ブエナのようなオーラを発揮するようになれば、ブエナ以上の馬になる可能性はあるでしょう。というよりも、ジェンティルドンナにはぜひそうなってほしいですね」

――ここまでの話を聞いていると、秋華賞は通過点という気がしてきましたが、念のため、最後に秋華賞の勝算をうかがえますか。

「自分が騎乗停止にでもならなければ、きっと勝てます(笑)。負けられない一戦だと思っています」

ジェンティルドンナ戦績

年月日     レース(会場・条件)           着順(人気)  騎手
2011.11.19 2歳新馬(京都・芝1600m)         2着(1)  M.デムーロ
2011.12.10 2歳未勝利(阪神・芝1600m)       1着(1)   I.メンディザバル
2012.01.08 シンザン記念 GIII(京都・芝1600m)  1着(2)  C.ルメール
2012.03.03 チューリップ賞 GIII(阪神・芝1600m)  4着(2)  岩田康誠
2012.04.08 桜花賞 GI(阪神・芝1600m)       1着(2)  岩田康誠
2012.05.20 オークス GI(東京・芝2400m)      1着(3)  川田将雅
2012.09.16 ローズS GⅡ(阪神・芝1800m)     1着(1)  岩田康誠

岩田康誠 (いわた・やすなり)

1974年3月12日生まれ。兵庫県出身。2006年に地方の兵庫県競馬から中央競馬(JRA)に移籍。初年度から126勝を挙げて、全国リーディング3位となる。以来トップジョッキーとして活躍。重賞49勝、うちGI16勝(地方騎手時代に獲得したものも含む)。JRA通算938勝、2012年=103勝(全国リーディング2位)※2012年10月12日現在

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る