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【競馬】福永祐一が語る「日本の馬では勝てない」という怪物 (2ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo

――そんなに強いですか?

「強いです。日本の中には、かなう馬はいないのではないでしょうか」

――確かに三冠達成後、古馬と初めて対戦した有馬記念でも圧勝しました。あの見た目の強さがそのまま、あの馬の強さということなのでしょうか?

「なにしろ、あの"超"がつくほどのスローペースを、ほぼ最後方から競馬を進めてすべての馬を差し切ってしまったわけですから。『強い』という言葉しか見つかりません」

――福永騎手が騎乗したトゥザグローリーも後方から3着に食い込みました。

「実はあのレース後、『あんなにスローペースなのに、なんでもっと前に行かないんだ』という非難を受けました。でも、逃げた馬も、2番手の馬も、結果的には馬群に沈んで、いちばん後ろにいたオルフェーヴルが勝利し、その少し前にいたトゥザグローリーが3着、さらにもうちょっと前にいたエイシンフラッシュが2着でした。スローだからといって、前に位置するのが有利とは限らないのです。それが、競馬です。ただし、オルフェーヴルの場合は、スローであろうがなんであろうが、ペースなど関係なく、最後は必ず伸びてきて、相手をねじ伏せて勝ってしまう。あれは、本当に強いです」

「怪物」を脅かすのはどんなタイプか

――そうは言っても、前走AJCCの勝ち方を見ると、ルーラーシップの能力もかなりのものです。それでも、オルフェーヴルには太刀打ちできませんか?

「春の天皇賞でオルフェーヴルを脅かすとすれば、距離が延びれば延びるほど力を発揮できて、3200mという長い距離が得意な馬だと思います。例えば、昨年の勝ち馬であるヒルノダムールとか、(菊花賞2着の)ウインバリアシオンのようなタイプです。ルーラーシップは能力ではヒケを取らないとしても、距離が延びることが必ずしもいいタイプではありません。もちろん競馬ですから、やってみなければわかりませんが」

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