【1994年12月4日】
史上初!日本人同士の統一戦にファンが熱狂
WBC世界バンタム級王者の薬師寺保栄と、同暫定王者の辰吉丈一郎は、試合前から壮絶な舌戦(ぜっせん)を繰り広げた。辰吉が薬師寺を「勘違い君」と挑発すると、薬師寺も辰吉を「思い上がり君」と反撃。辰吉が左眼網膜剥離で離脱している間に薬師寺に王座を奪われた背景が、ファンも巻き込んで両者をさらにヒートアップさせた。また、開催地についても両者の主張は平行線をたどり、薬師寺は地元・名古屋、辰吉は東京か大阪を希望。結果、入札で争うこととなり、薬師寺側が約3億4千万円で興行権を獲得し、名古屋で史上初となる日本人同士の王座統一戦が行なわれた。
試合前の下馬評は、辰吉有利の声が高かったものの、ふたを開けてみると互角の勝負が展開される。強打を放つ辰吉の猛攻に、薬師寺が多彩なパンチとフットワークで対抗するという、お互い一歩も引かぬ壮絶な打ち合いとなった。結局、12ラウンド終了まで決着はつかず、判定の結果、薬師寺が2-0で勝利を収めた。
試合が終わると、それまで薬師寺を罵(ののし)っていた辰吉は、「薬師寺君は強かった。試合前に侮辱したことを謝りたい」と相手を賞賛。一方、薬師寺も「辰吉君は自分がこれまで戦った中で一番強い選手だった」と敗者を讃えた。全国ネットで生放送されたこの試合の視聴率は、関東地方で39.4%を記録。試合後、リング上で抱き合った両者の激闘は、日本ボクシング屈指の名勝負として、今も語り継がれている。




















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