開幕週の鉄則が通用しないマイラーズC 穴党記者推奨の伏兵2頭が「2強」を脅かす!?

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

 春のGIシリーズが中休みとなる今週は、GI安田記念(6月2日/東京・芝1600m)の前哨戦のひとつ、GIIマイラーズC(4月21日/京都・芝1600m)が行なわれる。

 2012年に阪神競馬場から京都競馬場へと舞台が移った同レース。京都競馬場の改修工事により、2021年と2022年には阪神競馬場で行なわれたが、昨年から再び京都競馬場での開催となった。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は3勝、2着3回、3着2回とまずまずの結果を残していて、比較的波乱の少ないレースと言える。馬券圏内(3着以内)に入っている顔ぶれを見ても、早くから重賞戦線で活躍してきた面々がズラリ。たとえ直近のレースで揮わなくても、人気の実力馬がきっちり結果を残している印象だ。

 レースの行方を占ううえでポイントとなるのは、先週までの阪神開催から京都開催に替わること。とすれば、「開幕週の芝は、逃げ・先行有利」という鉄則に従うべきだろう。が、「その先入観には注意!」と警告するのは、デイリースポーツの大西修平記者だ。

「京都の開幕週に行なわれる芝のマイル戦。馬場コンディションが絶好であれば、前が簡単に止まらないイメージだと思います。しかし、意外なことに(阪神開催2年を除いた)過去8年で、逃げきり勝ちは一度もありません。各ジョッキーの(開幕週で)"先行有利"という心理が速いペースを生み出すためか、差し決着となるケースも少なくないです」

 昨年も1~3着馬の4コーナー通過順は、1着馬が11番手、2着馬が9番手、3着馬が5番手だった。もちろん、先行勢がいずれも人気薄だったこともあるが、開幕週だからといって、常識にかからない馬が逃げて上位に粘り込む、といったことはあまり考えなくてもよさそうだ。

 また、大西記者は走破時計にも注目して、こんな見解を示す。

「過去10年で1分33秒以上の時計を要する決着となったのは、2年前に阪神で行なわれた時だけ。つまり、速い時計にも対応できるスピードと、流れを見ながら運べる自在性を兼ね備えた馬が強さを発揮できる舞台であって、過去に実力馬が好結果を出しているのも納得です。とはいえ、一発の魅力があるのも同様のタイプ。そういうタイプに人気の盲点となりそうな存在がいれば、好配当も見込めるのではないでしょうか」

 そこで、大西記者はそれに該当しそうな穴馬候補を2頭ピックアップした。1頭目は今回と同じ舞台のGIII京都金杯(1月6日/京都・芝1600m)で2着となったセッション(牡4歳)だ。

「前走のGIIIダービー卿チャレンジトロフィー(3月30日/中山・芝1600m)では、前で運んでラスト伸びきれずに7着でした。ただ、レースでは後続のプレッシャーが厳しい形になったことと、中山の直線の急坂が堪えた感じなので、決して力負けではありません。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る