京都大賞典は今年も荒れる。開幕週でも差しが決まる阪神で末脚強烈な伏兵2頭が波乱を起こす (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

「昨年のこのレースでは、メンバー最速の上がりをマークして4着。あれから1年が経って、さらに力をつけた印象があり、特に2走前、3走前の内容は優秀でした。

 3走前のオープン特別・大阪-ハンブルクC(4月10日/阪神・芝2600m)では、ずば抜けた末脚を繰り出して快勝。手綱をとった荻野極騎手も、『体に余裕がありそうななかでこの走り。先々も期待したい』と評価していました。

 続く2走前のGII目黒記念(5月29日/東京・芝2500m)でも、前残りの展開にあって33秒4というメンバー最速の上がりマーク。勝ち馬とコンマ1秒差、2着と同タイムの4着まで追い込んできました。

 前走のGIII新潟記念(9月4日/新潟・芝2000m)では13着と大敗を喫しましたが、距離不足の2000m戦のうえ、休み明けでしたから、度外視していいと思います。

 全5勝のうち、3勝は2400m以上のレース。叩き2走目で2400m戦なら、一変が期待できます。前走の敗戦で人気を落としそうなので、配当的な妙味もたっぷりです」

 太田記者はもう1頭、気になる馬がいるという。

ヒンドゥタイムズ(せん6歳)です。休み休みでなかなか使い込めませんでしたが、去勢して迎えた前走のGIII小倉記念(8月14日/小倉・芝2000m)では2着と変わり身を見せました。

 勝ち馬マリアエレーナからは大きく離されましたが、同レースで3着だった僚馬ジェラルディーナが次戦のGIIオールカマー(中山・芝2200m)を勝利。価値ある好走でした。

 さらに今回は、去勢明けで14kgの馬体減だった前走からの上積みが見込めます。1週前の追い切りにまたがった鞍上の団野大成騎手も、『この年齢でようやく緩さが解消され、しっかりしてきました。精神面も大人になってきて、(初の2400mの)距離も大丈夫だと思います』と手応えを感じているようでした。

 阪神・外回りも、5歳時にオープン特別の大阪城S(阪神・芝1800m)を完勝。この舞台は合っていると思います。一発への期待が膨らみます」

 実績馬が集うレースとあって、ディアマンミノル、ヒンドゥタイムズともにここでは伏兵の域を出ないが、決め手はこのメンバーのなかでもトップクラス。人気馬が抜け出したあと、大外から強襲してくる2頭の大駆けに期待したい。

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