天才ジョッキーの悲願達成を実現。「競走馬としての総合力が高い」とスタッフもベタ褒めのドウデュース

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第1回:ドウデュース

 1987年のデビュー以来、JRAのさまざまな記録を塗り替え、数多くのGIレースを制してきた武豊騎手。まさしく日本競馬界のレジェンドだが、そんな彼にもなかなか手にできなかったGIタイトルがある。朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)だ。

 しかし、日本屈指の天才騎手は昨年末、同レースでの戴冠をついに成し遂げた。栄えある勲章をともに手にしたパートナーは、栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するドウデュース(牡3歳/父ハーツクライ)である。

武豊騎手を背にして、GI朝日杯FSを制したドウデュース武豊騎手を背にして、GI朝日杯FSを制したドウデュースこの記事に関連する写真を見る 母は現役時にアメリカの重賞戦線でも活躍したダストアンドダイヤモンズ。注目の血統馬として、昨夏のデビュー戦(9月5日/小倉・芝1800m)でも1番人気に推された。そして、武豊騎手を背にして期待に応えて快勝すると、2戦目にはリステッド競走のアイビーS(10月23日/東京・芝1800m)に臨んだ。

 8頭立ての少頭数ながら、粒ぞろいのメンバーが集結。真の実力が問われる一戦となったが、ここでも名手にうまく導かれて、好位から鋭く伸びてゴール板をトップで駆け抜けた。2着グランシエロとはクビ差の僅差ながら、余裕ある勝ちっぷりに将来性を感じたファンも多かったのではないだろうか。

 迎えた3戦目、無傷の2連勝で挑んだのが朝日杯FSである。道中は7、8番手を追走。直線で外に持ち出すと、相棒の仕掛けに瞬時に反応にして一気に加速した。

 直線半ばで1番人気セリフォスをとらえ、熾烈な競り合いから最後は同馬に半馬身差をつけてゴール。デビュー3連勝で見事にGI勝利を飾った。

 武豊騎手にとっても悲願のタイトル奪取。この勝利によって、JRAの平地GI完全制覇に王手をかけた(※残すGIはホープフルS)。おかげで、レース後にはスタンドの観衆から大きな拍手が送られた。

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