【競馬】ダービー発走直後、愛馬の「異変」を感じた生産者
『パカパカファーム』成功の舞台裏
連載●第36回
「競馬の祭典」日本ダービーへと駒を進めたディープブリランテ。しかし同馬には、距離延長、かかり癖という課題があった。そうした不安を抱えながらも、生産者であるパカパカファームのスタッフたちは、ディープブリランテの勝利を信じて、舞台となる東京競馬場に駆けつけた――。
パドックでは状態のよさが際立っていたディープブリランテ。 2012年5月27日(日)。競馬界にとって、年に一度の特別な一日が幕を開けた。3歳馬の頂点を決める、日本ダービー(東京・芝2400m)の開催日である。天気は快晴。"ダービー・デー"にふさわしい、絶好のコンディションだった。
15時過ぎになると、東京競馬場のパドックにダービーの出走馬たちが姿を見せた。当日の1番人気は、4月15日の皐月賞(中山・芝2000m)で2着と惜敗したワールドエース。そのときの勝ち馬ゴールドシップが2番人気で続き、同3着のディープブリランテは3番人気となった。そのあとに、皐月賞1番人気で5着に敗れたグランデッツァが4番人気で続いた。
その他、別路線組からは4月28日に行なわれたトライアル・青葉賞(東京・芝2400m)を快勝したフェノーメノが参戦。皐月賞組を脅かす存在として、5番人気に推されていた。
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