優勝にも厳しい表情。小笠原満男に見る常勝アントラーズのDNA
これを"伝統の強み"と言わずして何と言おうか。
J1リーグファーストステージの優勝トロフィーを掲げたのは、勝利への飽くなきスピリットを持つ鹿島アントラーズだった。
一時は自力優勝の道が閉ざされていたものの、そんな逆境に浮き足立つことなく、全17試合を終えた段階でてっぺんに立つ。その一念だけで、しぶとく戦い続けて栄冠を手にした。
ファーストステージの優勝を飾った鹿島アントラーズ 前節で首位に立った鹿島。勝てば優勝という最終節の相手は、最下位のアビスパ福岡だった。立ち上がりこそリズムをつかみ損ねたが、前半27分の右CKのチャンスから均衡を破ると、37分にも追加点を奪って2-0で勝利した。
ここ6シーズン、鹿島はリーグ戦のタイトルからは遠ざかっている。しかし、天皇杯、ナビスコカップでは優勝を重ね、ついにリーグ戦でもチャンピオンシップへの出場権を奪取。常勝軍団の"完全復権"を強く印象づけた。
昨シーズンの途中から指揮を執るクラブOBの石井正忠監督が笑顔を浮かべて語る。
「勝因は、チームの結束力と総合力。選手ひとりひとりが高い意識を持って、目指すサッカーに対して真摯に取り組んでくれた。当たり前のことを当たり前にやる。そうした積み重ねがファーストステージの優勝につながった」
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