アメリカで「なでしこの自信」が復活。高倉監督&大部コーチの手腕が光る

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 親善試合2試合目は、世界ランキング1位・アメリカの底力が際立った試合だった。日本は初戦からメンバーを7人入れ替え、異なる試行に臨んだ。

平等にチャンスを与え、短期間ながら選手個々の力を引き出した高倉麻子監督平等にチャンスを与え、短期間ながら選手個々の力を引き出した高倉麻子監督 注目のボランチには阪口夢穂、初招集の中里優という日テレ・ベレーザコンビが並ぶ。想定通りの勢いで襲い掛かるアメリカの攻撃を食い止めながらゴールへの道筋を組み立てようとするが、思うようにボールを回すことができない。日本が素早いチェックを見せた初戦の戦いを踏まえて、アメリカはプレッシャーを強めたパワープレーや、DF裏へのロングボールカウンターなどを徹底させてきた。

 世界一のチームが見せた的確な修正力の前に、日本は後手に回る場面が増えていく。ゴールを奪われたのは27分、セットプレーからだった。ポジショニングは完璧だった杉田亜未(伊賀)がクリアミスしたボールを奪われ、ロングボールがすかさずDF裏へわたり、抜け出していたジュリー・ジョンストンに決められてしまった。62分には、右サイドから背後を突かれ、初戦に続いてまたしてもアレックス・モーガンに決められ2失点目を喫した。

 日本は阪口を介してなんとかリズムを奪おうとするが、相手のプレスに互いの距離感をずらされ、最後まで立て直すことはできなかった。74分に横山久美(AC長野)を投入して反撃に出ようとした直後、雷雨により試合は中断。その後打ち切りとなったため、2戦目は0-2でアメリカの勝利に終わった。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る