J得点ランク1位。大久保嘉人のリオ五輪OA枠出場は現実的なのか?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Etsuo Hara/Getty Images

前節の神戸戦でも2ゴールを決めている大久保嘉人前節の神戸戦でも2ゴールを決めている大久保嘉人 5月14日、Jリーグ第12節。川崎フロンターレは等々力陸上競技場にヴィッセル神戸を迎えている。首位を争う川崎としては勝ち点を落とせない試合だった。ところが前半終了間際に一発を放り込まれ1点のビハインド。攻撃のテンポを上げる必要に迫られた。

 その後半だった。大久保嘉人が半ば強引に左サイドから切り込もうとする。その突破はディフェンダーに阻まれたが、そのままゴールラインを割ってCKを得た。

「戻せよ!」

 味方のMFエドゥアルド・ネットが、ボールを後ろにパスしなかったことに、腹を立てている。攻撃をやり直す、というのは一つの選択肢だろう。多くの日本人選手は味方を気遣い、「悪い」と謝るかもしれない。

 だが、大久保は指に火が付いたような手振りで、怒り返した。

「ここは前だろうが。お前も突っ込めよ!!」

 猛烈な勢いに、ネットの方がたじろいでしまう。その後、大久保は果敢にゴールに迫って2得点を奪い、逆転勝利に貢献した。

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