チームの中心軸。鹿島のサッカーは小笠原満男を見ていればわかる

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 いよいよリオデジャネイロ五輪開幕まで、あと3カ月ほどに迫った。4月には組み合わせも決まり、これからはメンバー選考の行方に注目が集まる。

 要するに、23歳以下の若い選手に目が向きがちだ。

 だが、今季のJ1を見ていると、ベテランが非常に元気だ。好調なチームを支える、彼らの充実ぶりが目につく。

 そんな選手のひとりが、鹿島アントラーズの小笠原満男である。

地味なプレーを繰り返しながらも、チームの重要な役割を担っている小笠原満男地味なプレーを繰り返しながらも、チームの重要な役割を担っている小笠原満男 現在、J1ファーストステージで3位につける鹿島の持ち味は、高い位置からの果敢なディフェンス。中盤から前で積極的にプレスを仕掛け、ボールを奪って攻め、奪われてもまたすぐに高い位置から奪い返しにいく。そうした激しいプレーの連続が鹿島の強さの源だ。

 4月30日に行なわれたJ1ファーストステージ第9節の大宮アルディージャ戦後には、鹿島の石井正忠監督がこんなことを話している。

「立ち上がりから、自分たちの攻守にわたってアグレッシブな形が出せた。前からプレッシャーをかけて相手ボールを奪う。奪ったあとはいろんな形でゴールに向かうというところは、90分間出せたと思う」

 指揮官が語る「前からのプレッシャー」の中心にいたのが、小笠原だった。キャプテンマークを左腕に巻く背番号40は、相手の攻撃の芽を摘むという点で抜群の冴えを見せた。

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