5-0圧勝という結果とは裏腹に、最終予選へ向けて高まる不安
過去5年、日本代表が2、3月に行なった試合は、2011年の東日本大震災チャリティーマッチ(Jリーグ選抜戦)も含めて、全部で9試合ある。
結果は7勝2敗。悪くない勝率だ。
しかし、その内容に目を向けると、何とも締まらない試合になることが少なくない。
例えば、2014年3月5日の親善試合、ニュージーランド戦。日本は序盤に相手を圧倒し、試合開始から17分間で4ゴールを量産した。敵将、ニール・エンブレン監督が「選手はまだ若くてナイーブ。本来のプレーをする前に試合が決まってしまった」と嘆く、一方的な展開である。
ところが、前半なかばを過ぎると、日本はペースダウン。パスを回すだけで有効なチャンスを作れず、逆にニュージーランドに攻め込まれる場面が増え、2点を失った。
日本はニュージーランドのミスに乗じて大量点を奪ったものの、相手が落ち着いてからはノーゴール。終わってみれば、4-2の勝利である。
2、3月の試合がパッとしないのには、いくつかの理由が考えられる。
日本代表はヨーロッパでプレーする選手がかなり増えたが、彼らにとって2、3月はそろそろシーズン終盤に差し掛かる時期。疲労の蓄積もあり、良好なコンディショを保つのが難しくなってくる。
そのうえ、日本でのホームゲームとなると長距離移動があり、ヨーロッパがサマータイムではないこの時期は、8時間以上の時差もある。
一方で、国内組のこの時期は、新シーズンが始まったかどうか、というタイミング。まだコンディションが上がり切っておらず、選手によっては、強度の高い試合をそれほどこなしていないということもあるだろう。
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