福田正博が分析。五輪代表・手倉森監督が見せた「勝負師の采配」

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburou

五輪出場を決め、優勝も果たした日本を指揮する手倉森監督五輪出場を決め、優勝も果たした日本を指揮する手倉森監督 U-23日本代表が、カタールのドーハで開催されたリオデジャネイロ五輪の出場権をかけたアジア最終予選で、6大会連続となる五輪出場を決めた。

 レギュレーションの変更でアジアの出場枠が前回大会の3.5枠から3枠に減ったこともあり、大会前は日本の戦いを不安視する向きが多かったが、蓋を開けてみれば見事に優勝。

 2014年のW杯ブラジル大会以降、日本サッカーを覆っていた沈滞ムードに風穴をあけてくれた。しかも、このリオ世代が、過去の世代別大会で苦汁を味あわされた相手を、ことごとく打ち破っていった今大会の展開は、まるでドラマを見ているかのようだった。

「出来すぎ」とも言える最高の結果を残したのは、もちろん選手たちの頑張りがあればこそだが、チームを率いた手倉森誠監督の手腕も大きかったといえる。

 手倉森監督は、JFAの公認S級ライセンスを取得したのが私と同じ2006年で、3カ月間の研修期間中、手倉森監督と彼の双子の弟・浩氏(現ナショナルトレセン東北地域チーフコーチ)と車で一緒に講習に通った仲でもある。

 その後、彼がベガルタ仙台の監督になってからも常にその指導を注視してきたが、監督としての彼をひと言で表すなら"勝負師"ということになるだろう。

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