リオまであと1勝。弱みを強みに、不利を有利に変える手倉森マジック

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 岸本勉●撮影 photo by Kishimoto Tsutomu

 物事には必ず表と裏がある。同じ事象であっても見方を変えれば、その印象は180度異なるものになる。

 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選(兼アジアU-23選手権)を見ながら、そんなことを感じている。

日本は豊川雄太の先制点と中島翔哉の2ゴールでイランに勝利。準決勝進出を決めた日本は豊川雄太の先制点と中島翔哉の2ゴールでイランに勝利。準決勝進出を決めた 準々決勝の試合前日。公式会見に臨んだイランのモハマド・ハクプール監督は、対戦相手である日本についてこう話していた。

「全員の力が接近していて、同じやり方で戦える。スター選手はいないが、チームとしてすばらしい。組織されていて、みんながハードワークすることができる」

 実に的確に、日本サッカーの特徴を言い表していると思う。

 現在の日本、特に育成年代において、よく言われることのひとつが、「どの選手もみな、同じような選手ばかりだ」ということ。つまり、「選手にこれといった特徴がなく、個性がない」という意味だ。

 たしかに、勤勉でよく動き、それなりに技術は高いが、プレーに強引さがなく、当たり前のことを黙々とこなすような選手が多くなっているのは事実だろう。

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