元レイソル工藤壮人、カナダへ出発。彼はなぜMLSを選んだのか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

「今はシンプルに、MLSでやってやろう、という前向きな気持ちです。日本人として、存在感を示せるように。やる気に満ちていますよ。MLSのホームページでも、自分の移籍が大きく紹介され、注目されたみたいですね。だから、移籍はこのタイミングだったのかな、と思いますが」

 工藤は口許を引き締めた。実は大半のサポーターは快く送り出してくれたものの、一部の人からはSNSなどに誹謗中傷のメッセージが届いている。

「もちろん気持ちとしては、移籍金を残してレイソルを出たい、と思ってきました。移籍金ゼロで出る気はなかった。でも、実際にはそういうオファーが届かなくて……。それに自分はレイソルの選手としてプレーしている間、中心選手としてプレーしてきた自覚はあるし、それを少しでも見せられた、と思っていました。それが伝わっていなかったとすれば、まだまだ力が足りなかったのかなと思います。今はレイソルで育てられ、プレーした選手として、“海外で上にのし上がっていく”というお金以上のものをレイソルのサポーターに示したいですね」

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