サッカー五輪代表・久保裕也「最終予選で3年前の借りを必ず返す」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

リオ五輪を目指す日の丸戦士(6)

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 五輪代表のFW久保裕也には、忘れられない記憶がある。

 2012年11月、久保はU-19日本代表のエースとして、U-20W杯アジア最終予選となるAFC U-19選手権(UAE)に出場。しかし、出場全4試合を無得点に終わり、チームも準々決勝(1-2イラク)で敗退し、世界大会の出場権(上位4カ国)を逃した。

「あの悔しさは、今も忘れていないです。U-20W杯には行けると思っていたし、自分が(チームを世界へ)連れていく覚悟でいたけど、結果として何もできなかった。アジアは甘くないと思い知らされた。だからこそ、今回のリオ五輪アジア最終予選(AFC U-23選手権。1月12日~30日/カタール)では、アジアのどこの国にも絶対に負けたくないんです」

 久保にとってこの敗戦は、自分自身を見つめ直す、いいきっかけになった。

久保裕也が目標とするリオ五輪出場へ向けて、いよいよ最終予選に挑む久保裕也が目標とするリオ五輪出場へ向けて、いよいよ最終予選に挑む 久保は、京都サンガF.C.ユースに所属し、高校2年生(2010年)の段階で早くもトップ登録された。その後、一旦ユースに戻ったものの、高校3年生になって再びトップ登録されると、2011年のJ2リーグ開幕2戦目(第8節/4月24日vsファジアーノ岡山)で初スタメン初ゴールをマーク。17歳ながら、シーズン30試合に出場し、トータル10得点を記録した。
※東日本大震災の影響で序盤戦の日程は大幅に変更。

 その翌年には日本代表にも招集され、一躍脚光を浴びた。若くして、プロサッカー選手としての"エリート街道"をまい進し、アジアでもやれる自信があった。だが、実際には何もできなかった。久保は、まさしく井の中の蛙だったのだ。

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