イラン戦で判明。日本代表の最大の課題は「パススピード」

 パススピードが遅くなった要因は、試合が行なわれたイラン・アザディスタジアムのピッチコンディションにある。先日のアフガニスタン戦(9月8日/6-0で日本が勝利)でこのスタジアムに行ったときに実際に見たのでわかるのだが、ここは芝が長く、水が撒かれていなければボールが止まりやすい。だが、それは相手にとってみれば当然の策だ。

 日本代表の特長である速いボール回しを消してしまえば、イランは日本代表よりも優る体格やパワーを生かすことができる。ホーム&アウェーで行なわれる最終予選で戦う国が、イランと同様の手を打ってくる可能性は高いだろう。

 芝が長く、水が撒かれていないピッチは、抵抗が増えるためボールは転がりにくい。短い芝のときと同じ力で蹴っても、勢いが削がれてボールの速度は遅くなる。イラン戦での日本代表は、これに対応できていなかった。パススピードが遅くなると、相手に日本のボールホルダーへ寄せる時間を与えてしまい、日本が苦手にするボディコンタクトが増えることになった。反対に、パススピードが速ければ、パスの受け手の選手が敵に対応する「時間をつくる」ことができるということだ。

 体格差で優るイランのような相手とフィジカル勝負で戦ったら、形勢不利になるのは火を見るより明らかだ。イラン戦では、相手に寄せる時間を与えたことで、とくに最終ラインのボール回しで慌てることになった。そのため、前線の選手たちも、守備陣に不安を覚えて低い位置にポジショニングし、全体的に下がってしまう悪循環に陥ってしまった。

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