松田直樹の命日に思う。いま日本代表CBに欠けているもの

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 8月2日、中国の武漢。東アジアカップの開幕戦で、日本代表は北朝鮮代表と一戦をまじえ、無残な逆転負けを喫している。先制点を挙げたものの、リードを守りきれなかった。中盤の選手のポジションが悪く、不必要に動き回ることでセカンドボールを拾えず、いたずらに波状攻撃を浴びた。そして得点を託されたアタッカーたちは、幾度も好機を逸し続けている。

「フィジカル」をハリルホジッチ監督は敗因に挙げたが、むしろ戦略、戦術、技術的に敗れていた。

北朝鮮戦で長身のパク・ヒョンイルに競り負ける槙野智章(左)と森重真人北朝鮮戦で長身のパク・ヒョンイルに競り負ける槙野智章(左)と森重真人 もっともフィジカルの弱い印象が残ったのには理由がある。後半、交代で入った北朝鮮の長身FWに、日本のセンターバック(CB)2人は失点シーンで競り負けていた。単純で雑なハイボールやクロスに対応できなかった。貧弱さが目についた。

 ではあらためて、CBの資質とはどこにあるのだろうか?
 
 CBには、"相手を打ち負かす"という戦闘能力が必須条件として求められる。強度の高いプレイで体を合わせて跳ね返す、原始的ぶつかり合いの部分で勝てるか否か、まずはそこが求められる。

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