なでしこ宇津木瑠美の覚悟。「明日サッカーができなくなってもいい」

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko 早草紀子●撮影 photo by Hayakusa Noriko

 ここ数年、なでしこジャパンはおなじみのメンバーで戦っている。

 固定メンバーで戦い続けるがゆえの連動の向上やオートマティズム、スムーズな意思疎通は、今のなでしこの大きな武器でもある。体力、パワー、スピードではアメリカやドイツ、フランスなどの強豪にどうしてもかなわない。その分、チーム力で立ち向かうのがなでしこたちの戦い方だ。

 W杯カナダ大会で決勝に進出したそのなでしこジャパンに、新たな風を吹き込んでいる選手がいる。MFの宇津木瑠美だ。

今大会、日本の中盤の要となっている宇津木瑠美今大会、日本の中盤の要となっている宇津木瑠美 宇津木は、これまで23人のメンバーとしてはおなじみではあったが、先発となると回数が少なかった。しかし、今回のW杯では、決勝トーナメント以降の3試合(オランダ戦、オーストラリア戦、イングランド戦)で先発メンバーに名を連ねた。

 これまで澤穂希が先発していたボランチのポジションでプレーしている宇津木は、人に強く、168cmと高さがあり、ボール奪取の能力がある。守備的なポジションであればどこでもこなせるユーティリティプレーヤーだけに、W杯前の親善試合、イタリア戦では左SBでも試された。

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