W杯予選ドロー発進。ハリル監督が見逃している日本の2つの問題点

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 そこで問われるのが、攻めのルートだ。引いた相手に対してどう攻めるかの答えでもあるのだが、相手が引けば引くほど、つまりゴール前を固めれば固めるほど、サイドは空く。相手が引いたら外から崩せ。これはセオリー。鉄則なのだが、日本はそれをしなかった。力ずくで真ん中に攻め入った。それを何度も繰り返した。

 両サイドの本田圭佑と宇佐美貴史は、気がつけば、真ん中へポジションを取っていた。4-2-3-1の前4人が、ペナルティエリアの幅の中に揃ってポジションを取る時間がほとんどだった。

 非効率なゴリ押しサッカー。サイドが空いているにもかかわらず、あえて密集地帯にボールを運ぶそのサッカーは、過信、驕りに見えた。

 馬鹿げている。頭脳的ではない。僕にはハリルジャパンが、頭が悪いというか、IQ値の低い賢くない集団に映った。

 最初から真ん中を狙う攻撃は、相手には守りやすい。壁を作って待ち伏せしておけばいいからだ。日本はそれでも3~4度、その攻撃からチャンスをつかんだ。しかし完璧なシュート態勢に持って行くことはできなかった。言い換えれば、そのほとんどは失敗した。

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