ACL早くも終戦?浦和、鹿島、ガンバに欠けているもの

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 伊藤真吾/アフロスポーツ●写真

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)はグループリーグ3節が終了した。Jリーグ勢の第3節の結果は、柏レイソル2-1山東魯能(中国)、北京国安(中国)2-0浦和レッズ、ガンバ大阪1-1ブリラム(タイ)、広州恒大(中国)4-3鹿島アントラーズだった。

 Jリーグ勢は浦和レッズ、鹿島アントラーズが揃って3連敗と決勝トーナメント進出は絶望的な状況。三冠王者として意気軒昂で挑んだガンバ大阪も2敗1分けと、グループリーグ突破に赤に近い黄信号が灯った。柏レイソルだけが無敗で、2勝1分けと決勝トーナメント進出に王手をかけている。

 なぜ、Jリーグのクラブは脆(もろ)さをさらけ出しているのか。なぜ、3戦勝ち星なしと3戦無敗という「差」が出てしまったのか。

山東魯能戦で決勝ゴールをあげた輪湖直樹(柏)山東魯能戦で決勝ゴールをあげた輪湖直樹(柏) なによりも柏はアジアでの戦いに対して至って謙虚だった。

 第1節はアウェーの全北現代戦で劣勢が予想される中、5バックで守備のブロックを作って対抗している。敵地で勝ち点1を拾う、そのミッションを遂行した。吉田達磨監督が新たに就任した柏は、ポゼッションゲームを基本とするチームだが、「らしさ」に固執せず、現実的に勝負に挑んだ。CBの鈴木大輔は真っ向から攻撃を受け止め、高い集中力を保ちながら、怯まず攻撃を跳ね返し続けた。

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