遠藤保仁「実は、嫁には本当に感謝しているよ」

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

ガンバ大阪
遠藤保仁インタビュー(2)

 2014年シーズンは、遠藤保仁にとってビッグイヤーになった。ガンバ大阪で三冠(Jリーグ、ナビスコカップ、天皇杯)を達成し、自身はJリーグのMVPに輝いた。34歳という年齢を感じさせないプレイを最後まで披露し、目覚しい活躍を見せた。
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今季もすべてのタイトル奪取に燃えている遠藤保仁。今季もすべてのタイトル奪取に燃えている遠藤保仁。 昨季のガンバはJ2から昇格したばかりだった。それがなぜ、2000年シーズンの鹿島アントラーズ以来となる「三冠」という快挙を達成できたのだろうか。その要因を改めて聞いてみた。

「三冠を達成できたポイントのひとつは、"運"だろうね。リーグ戦においては、最終節の前までオレたちに自力優勝の可能性はなく、ずっと他力に頼るしかなかったから。そうした状況の中で、首位の浦和レッズは優勝へのプレッシャーを感じていたんだろうね。それで、最後に失速していった。そういう意味では、オレたちには"運"があった。

 ふたつ目は"諦めない気持ち"でしょ。(ブラジルW杯開催による)中断前の順位は16位だった。そこで、『もうダメだ』と思っていたら、残留争いに巻き込まれていたと思う。でも再開後、最後まで諦めずに、上を目指して戦い続けた。そういう"気持ち"は大事だよ。

 3つ目は、若い選手の"自立"だね。MFの阿部(浩之)ちゃんとか、(大森)晃太郎とか、レギュラーとサブの間を行き来していた選手がレギュラーに定着した。そういう若い選手たちが、計算できる選手になったことが大きかった」

 遠藤が語るとおり、ガンバは序盤戦で苦戦。リーグ中断前にはJ2降格圏内の16位に沈んで、残留争いは避けられないと見られていた。だが、中断明け後、快進撃を見せて一冠目となるナビスコカップを制した。サンフレッチェ広島と対戦した決勝(11月8日)では、0-2の状況を引っくり返して劇的な勝利を飾った。誰もが予想しなかった三冠への道は、ここから大きく動き出した。

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