酒井高徳が語るアジア杯。「代表への気持ちが変わった」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 現日本代表監督のハビエル・アギーレに関して、時として日本メディアは「キレキャラ」のように報じることがある。「選手に檄を飛ばし」「報道陣を一喝し」「試合中は鬼の形相で」......といった具合だ。だが、誰もが同様に感じているわけではない。 

 酒井高徳が「今日のアギーレ監督は気合いが入っていましたね?」と記者に尋ねられたときのことだ。彼はうなずきながらも、「やっぱそういう風に感じちゃうんですね」と、違和感を漏らした。

「向こう(ドイツ)にいると、ああいうのが普通なので、怒っているように感じないというか......。最初は僕も、ああいう声を出されるとびくっとしましたけど、今は特に感じない。練習でぴりっとしなければいけないと思うくらいです」

パレスチナ戦に先発フル出場した酒井高徳パレスチナ戦に先発フル出場した酒井高徳 確かにアギーレの身振り手振りは大きいし、その表情は日本人には怒っているように見えなくもない。だがドイツでのプレイが丸3年になる酒井にとって、動じるほどのことではない。

 2014年、酒井はシュツットガルトで苦しい時期を過ごした。途中加入した2011~2012年シーズンの後半戦、チームは酒井効果もあって快進撃を続けた。おかげで翌2012~2013年シーズンはヨーロッパリーグのプレイオフにも出場した。だが、岡崎慎司らが去った2013~2014年シーズンは最後まで残留争いに巻き込まれ、ギリギリの15位で残留。今季も17節を終えた時点で15位と振るわない。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る