【なでしこ】カナダに連勝。2015年W杯につながる「有終の美」

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 カナダ遠征第2戦は、第1戦とはまた違った見どころが満載のゲームとなった。第1戦から中2日を空けて、バンクーバーで迎えた第2戦は若手にチャンスが与えられた。初戦のメンバーからこの試合で起用されたのはボランチ阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)とCB熊谷紗希(リヨン/フランス)の2名のみ。

最後は鮫島彩のゴールで勝利を手にし、今季最後の活動を締めくくった最後は鮫島彩のゴールで勝利を手にし、今季最後の活動を締めくくった 注目の立ち上がり5分、右サイドハーフに入っていた岩渕真奈(ミュンヘン/ドイツ)が中央へ切り込み、永里亜紗乃(ポツダム/ドイツ)につなぎ、最後は菅澤優衣香(ジェフ市原)がゴールネットを揺らすがこれは惜しくもオフサイド。しかし、開始早々若手の強い意志を感じるプレイが飛び出した。

 来年のワールドカップ自国開催を控えるカナダも負けてはいない。16分には、エース・シンクレアが岩清水梓(日テレ・ベレーザ)と熊谷の間から絶妙に抜け出す。ここは岩清水が体を張ってコーナーキックに逃れるが、やはり一瞬たりとも隙は見せられない相手だ。ここから、カナダに流れが傾きかけるが日本も踏ん張る。

 そんな中、右サイドでなんとか流れを作ろうとしていたのが岩渕だ。ドイツへ渡ってもうすぐ2年。「今が一番充実している」と自身の成長を感じていた岩渕。立ち上がりからその変化が見て取れた。持ち前のドリブルで突破を図るのは以前と変わらないが、相手との間合いを見極め、ボールを持ちすぎることなく的確に前線へ送る。スピードを保ちつつ、キープ力が確実に上がったことを示してみせた。前半途中からはトップへ。膝の状況が万全でないため、45分の出場に留まったが、魅力あるアクセントを披露したと言っていいだろう。

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