【なでしこ】強豪カナダに圧勝。躍動した新戦力の二人

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 久しぶりに主力メンバーが顔をそろえたカナダ遠征。カナダとの初戦は、トライと確認を繰り返しながら展開しつつ、なでしこジャパンが3-0で勝利を手にした。

代表初ゴールを決めた川村優理代表初ゴールを決めた川村優理「全員を起用する」と明言している佐々木則夫監督が初戦に送り出したのは"なでしこジャパン"の代名詞とも言える選手たちだった。2トップには大儀見優季(チェルシー)、大野忍(アーセナル)、左右サイドハーフに安藤梢(フランクフルト)、川澄奈穂美(INAC神戸)、ボランチには宮間あや(湯郷ベル)、阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)が名を連ね、両サイドバックには久々に鮫島彩(仙台)、近賀ゆかり(アーセナル)がそろう。

 注目されたのは初タッグとなる熊谷紗希(リヨン)と川村優理(仙台)のCBコンビ。世界屈指の強豪・リヨンで個を磨き上げてきた熊谷と、今年5月のアジアカップで鮮烈なCBデビューを果たした川村。2010年に川村がなでしこジャパンに初招集されてから、幾度となく顔を合わせているが、CBとして組むのは今回が初めてだった。

 主力メンバーがそろった中でスタメンを託された川村はさすがに緊張を隠せない。対峙するのは、カナダのエース・クリスティーン・シンクレア。この試合を左右するのは、個で切り開く得点力を持つ相手エースを封じ込むことができるか否かだ。

 共通意識として、各ポジションのラインをコンパクトに保ち、自由なスペースを限定させる策をとった。最終ラインを高くし、エースの動きを封じた守備陣。それでもサイドを破るシンクレアに対し川村は、「もっと速く準備をしないといけない。弱く行ったらやられるし、逆に思い切って強く行けた」と懸命なケアを見せた。

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