原博実専務理事「代表監督は常にリストアップしている」 (4ページ目)
――でも、4年間の中では、波がありました。監督を代えようと思った瞬間、というのはなかったですか。
原 それはないです。チームには常に波があります。ザッケローニ監督とは多くのことを話し合ってきました。解任しようなんて思ったことは一度もないですね。
――もっとこうしてほしい、ああしてほしいと、ザッケローニ監督のやり方に注文をつけたことはありませんか。
原 こちらから「ここはもっとこうしてほしい」と言ったことはいろいろとありましたよ。ザッケローニ監督からもさまざまな要望がありましたし。でもそこで、それはできる、それはできないと、お互い正直に答えて、お互いが納得できる回答を出していました。だから、こちらから不信感を抱くことはまったくなかったですね。コミュニケーションはうまくとれていたと思いますし、人間的にも素晴らしく、尊敬できる監督でした。
――しかし、最後に結果は出ませんでした。
原 それは、彼も選手も私たちもみんな悔しいです。ザッケローニ監督は、いまだに「選手たちの力をもっと引き出すことはできなかったんだろうか」とか「もっといい試合ができたはずなのに」と、日々悔やんでいるという話を聞いている。もちろん結果が出なかったことに対しては、私たちにも責任はあると思っています。
――原さんの責任はあると思いますけど、辞められても困ります。原さん以外に代表監督になる人材を探せる人はいませんから。アギーレ監督にたどり着ける人は、他にはいません。原さんが仕事をしないと、日本が抱えているさまざまな問題は片付いていかないと思いますよ。
原 協会の組織も強化していかないといけないし、Jリーグを含めて日本のサッカーのカレンダーというものを、よくしていかないといけない。今は、Jリーグがあって、ACLがあって、ナビスコカップ、天皇杯……それで代表の試合がある。スケジュール的には、もうパンパンなんですよ。この何年か、シーズンスケジュールについてはずっと先送りにしてきましたけど、これを早く解決しないといけない。その課題にしっかりと取り組んでいきます。
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