コロンビア戦に生かしたいギリシャ戦の反省点とは?

  • photo by JMPA

 W杯ブラジル大会の日本の2戦目、ギリシャ戦は日本らしさが垣間見える試合だった(6月20日、日本0−0ギリシャ)。コートジボワール戦に比べれば、選手は距離感をコンパクトに保ち、パスを回して主導権を握ることができた。日本がこれまで培ってきたサッカーを表現できていたといえる。

 ただし、自分たちのスタイルにこだわりすぎたようにも思う。コートジボワール戦で「日本らしさ」であるパスワークをほとんど出せなかったこともあって、パスを回すことにとらわれすぎている印象だった。

 そもそも、なんのためにパスをつなぐのか。それはボールを回して相手守備陣に揺さぶりをかけ、ペナルティエリアに侵入してシュートを打つためだ。しかし、ギリシャ戦はペナルティエリア内でシュートを打てたのは、大久保嘉人と内田篤人くらいで、2、3回しかなかった。それ以外はほとんどがペナルティエリアの外からのシュートだった。

 サッカーの目的はゴールを奪うことであって、パスを回すことではない。相手DFからすれば、タテに速い攻撃とじっくりパスを回す攻撃を使い分けられたら嫌なもの。そう考えると、ボールを奪ってからタテに速い攻撃を仕掛けるやり方があってもよかったのではないか。

 また、両サイドバックが攻め上がっても単調なクロスを放り込むだけになっていたことも大きな問題点だろう。タッチライン近くから中央に入れても、日本の前線には、中央に体格の大きな屈強な選手はいないので、長身のギリシャDFに競り勝つのは難しかった。

 ギリシャのように守備の堅い相手を崩すのは容易なことではない。しかも、相手は退場によってひとり少なくなったため、引き分け狙いに切り替えてさらに守りを固めていた。

 ゴール前を固めた相手に対しては、サイド攻撃が有効であることは間違いない。ただし、単にサイドから中央にクロスを入れるということではなく、中央にくさびのボールを入れて、相手DFを中央に集結させてから、サイドに展開する。それを何度も繰り返すことで、相手の両SBが中央寄りにポジションを取るようになるため、サイドにスペースが生まれる。そのスペースを突くことが重要になる。

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