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長谷部が太鼓判。今の代表は「選手ミーティング不要」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

 選手のコンディションを上げることとは異なり、守備という戦術面の課題に関しては、短期間で十分に修正が可能なところがある。課題として取り組むことで、改善への効果も非常に大きい。長谷部自身、ブラジル入り後の練習でかなりの手応え感じているという。もちろん、そうやってチームの結束が高まったのは、「このままではW杯では勝てない」という危機意識による部分も大きい。

「前回の南アフリカ大会のときにも感じましたが、W杯ではひとつ勝つことがどれほど難しいことか。最高のコンディションで、みんなが同じ思いで、ひとつになって戦わないと勝てない。そういう意味では、ブラジル入りしてから、チームはすごく集中していて、いい状態にある。選手だけのミーティングも、今はやる必要がないくらいです」

 初戦を3日後に控えた6月11日(現地時間)、対戦相手となるコートジボワールの映像を、チームとして初めて見てミーティングを行なった。

「映像を見てみると、改めて(コートジボワールの)攻撃は強烈だな、と思いましたね。MFヤヤ・トゥーレ、FWジェルビーニョなどは、スピードとパワーがあって、技術も高い。少しでも隙を見せたら、カウンター一発でやられそう。ただ一方で、ディフェンスは脆(もろ)い部分がある。連係がとれていないので、狙い目かなって思っています。お互いに攻撃的なチームという感じですが、いかに点を取って、いかに失点を抑えるかも大事。とにかく、高い集中力で戦えたチームが勝つと思います」

 攻撃的なチーム同士が打ち合えば、点の取り合いになる。そうなると、最後はどれだけ踏ん張って守り切れるか。結局、守備力が勝敗を分けるポイントになりそうだが、長谷部はどう思っているのだろうか。

「監督は、『強豪と戦うときは、1失点は覚悟しないといけない。でも、それ以上の点を取るチームを作ってきた』と言っています。攻撃的に戦って"打ち勝つ"ということです。それでも、プレイしている選手は、相手をゼロに抑えるに越したことはないと思っているので、コートジボワール戦まで、(練習でも)いかにチーム全員で同じ守備の意識を持ってやれるかが重要になってくる。そこは、ブレずに、初戦の日までやっていきたい」

 長谷部にはこのブラジルW杯で実現したいことがある。

「初戦を前にして、非常にワクワクしています。この4年間は、自分たちに合った、自分たちが世界で勝つためのサッカーを追求し、積み上げてきた。このブラジルW杯で、自分たちは『このサッカーでいくんだ』という指針を築いていきたい。例えば、メキシコのサッカーにはそういう伝統があるけど、(日本のサッカーにも)そういうモノを作り上げていきたい」

 その第一歩が、コートジボワール戦となる。

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