【なでしこ】初戦はドロー。アジア杯優勝へチームはひとつになれるか

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 5月14日、女子アジアカップ(2015FIFA女子W杯のアジア最終予選を兼ねる)がベトナムで開幕し、初優勝を狙う日本は前回覇者のオーストラリアと対戦し、2-2のドロー発進となった。

試合終了後、ドローという結果に悔しさを滲ませたなでしこたち試合終了後、ドローという結果に悔しさを滲ませたなでしこたち スタメンは壮行試合のニュージーランド戦と同じ顔ぶれだったが、立ち上がりは非常にマズかった。開始早々にFWデバンナに抜け出され、シュートは左ポストに助けられたものの、その後もオーストラリアの素早いチェックに後手を踏む。

 さらに雑草のような芝で埋め尽くされたピッチ上で、日本のパスはリーチの長い相手にことごとくコースを遮(さえぎ)られた。14分、ボランチ宮間あやが強引にミドルを放ち、なんとかフィニッシュに持ち込んだのが日本の初シュートだった。サイドやバックラインから前線に送るも、髙瀬愛実、吉良知夏の2トップにボールがおさまらない。

 逆にオーストラリアは21分、中盤でボールを奪うとFWフォードがドリブルで進撃、そのままゴール。懸念していたシュートカウンターから、相手の狙い通りの展開に持ち込まれてしまった。「相手の勢いを受けてしまった」(佐々木則夫監督)ことで、ボールはなかなか落ち着かない。こうなっては、頼みの宮間あやからの展開も効果は薄かった。

 35分、佐々木監督はたまらず合流したばかりのFW大儀見優季を投入。その直後、髙瀬が空けたスペースに大儀見が走り出す。幾度となく繰り返してきたそのプレイのタイミングはパスを出した宮間の体に刷り込まれていた。惜しくもオフサイドになったが、この一本のパスが、ここまでの前線の停滞ムードを払拭する。

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