ボランチ最後のひと枠を狙う、広島・青山敏弘の「胸中」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Nakanishi Yusuke/AFLO SPORT

ブラジルW杯まで51日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第31回:青山敏弘

 ブラジルW杯最終選考会とも言える日本代表候補合宿が4月7日から(9日まで)千葉県で行なわれた。参加メンバーは、MF南野拓実(セレッソ大阪)ら初選出の7名をはじめ、W杯メンバー入りの当落線上にいると思われる23名。遠藤保仁や今野泰幸ら主力選手は招集されず、フレッシュな顔触れが3日間のトレーニングを精力的にこなした。

日本代表候補キャップに参加した青山敏弘。日本代表候補キャップに参加した青山敏弘。「この3日間で(自分も)成長できたのはよかった」

 そう冷静に語ったのは、サンフレッチェ広島のMF青山敏弘だ。日本代表には、昨年7月の東アジアカップで初招集された。初戦の中国戦(3-3)で先発デビューし、3戦目の韓国戦(2-1)でもフル出場。日本の優勝に貢献した。その活躍が認められて、8月のウルグアイ戦(2-4)にも代表入り。本田圭佑や香川真司ら海外組も加わったチームで、大いに刺激を受けたという。

 その後、国内で行なわれた親善試合、9月のグアテマラ戦(3-0)、ガーナ戦(3-1)でも選出されたものの、続く10月の東欧遠征(0-2セルビア、0-1ベラルーシ)、11月の欧州遠征(2-2オランダ、3-2ベルギー)には呼ばれなかった。それでも、Jリーグでは広島の連覇達成の原動力となり、年明け初戦となる3月のニュージーランド戦(4-2)で再び代表復帰。先発出場を果たし、前半の45分間、プレイした。

 その試合後、青山は厳しい表情でこう語った。

「もう、それなりでは(W杯メンバー入りの)"アピール"にならない。ゴールにつながる結果を残したかった」

 それから1カ月後に行なわれた、先述の"サバイバル合宿"には、青山はどんな思いで参加したのだろうか。

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