最後の代表候補合宿終了。ザッケローニの思惑以上の成果あり?

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 梁川剛●写真 photo by Yanagawa Go

 4月7日から3日間にわたって行なわれた代表候補キャンプの最終日、ザッケローニ監督は笑顔混じりに成果を語った。

「選手たちがすごく聞く耳を持って取り組んでくれたと思う。目的はできるだけ情報量を増やすところにあったが、選手たちはしっかりとアピールし、自分のプレイを出してくれた。この3日間はすごく大切だった。情報がすでにある選手がここにいないのは偶然ではなく、情報の少ない選手を手元で見たいと思っていた。そういう意味ではすごく有意義な3日間だった」

代表候補合宿で選手たちに指示を出すザッケローニ監督代表候補合宿で選手たちに指示を出すザッケローニ監督 さらに、5月12日に発表されるワールドカップのメンバー選考について問われると、「できる限りギリギリまで悩みたいと思う」と答えた。

 今回のキャンプは、メンバー発表前の最後となる日本代表の活動だった。この「最終オーディション」には、国内組しか呼ばれていない。それも初招集の7人を含むザックジャパンでのプレイ経験の浅い選手ばかりだ。

 ワールドカップまで2ヵ月というこの時期に、遠藤保仁や今野泰幸、柿谷曜一朗といった主力選手を招集しなかったため、当初はキャンプの意義が見えにくかったが、これがなかなか見応えのあるものになった。

 最終日に行なわれた流通経済大との練習試合では、昨季のJ1得点ランク2位の川又堅碁(新潟)と、U-19日本代表から飛び級で昇格した南野拓実(C大阪)という攻撃陣の注目株がそろってゴールを奪った。連係が噛み合わず、あわや失点という場面もあったが、即席チームということを考えればそれも仕方のないことだろう。

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