1敗2分け。優勝候補のレイソルがいまだ結果を出せないワケ

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

名波浩の視点

 かつてヴィッセル神戸やガンバ大阪で活躍したFWレアンドロ(前アル・サッド/カタール)や、韓国代表MFのハン・グギョン(前湘南ベルマーレ)などを補強して戦力アップを図った柏レイソル。今季はアジアチャンピオンズリーグに出場しないこともあって、開幕前から優勝候補の呼び声が高かったものの、第1節のFC東京戦、第2節のヴィッセル神戸戦はともに1-1のドロー。第3節の名古屋グランパス戦では0-1で敗れて、いまだ勝ち星を挙げられていない。

まだ万全な状態とは言えないレイソルのレアンドロ・ドミンゲス。左はグランパスのダニルソン。まだ万全な状態とは言えないレイソルのレアンドロ・ドミンゲス。左はグランパスのダニルソン。 いちばんの原因は、タレントぞろいの前線がうまく機能していないからだろう。特に、1トップのレアンドロとトップ下のレアンドロ・ドミンゲスのふたりが、まだ本調子とは言えない。

 ともにコンディションが整っていないようで、それぞれ動きが鈍く、ふたりのパス交換も非常に少なかった。例えば、昨季まで大宮アルディージャで活躍したFWのズラタンとノヴァコヴィッチのスロベニア人コンビや、今季ヴィッセルで奮闘しているFWマルキーニョスとMFシンプリシオ、FWペトロ・ジュニオールとシンプリシオといったブラジル人コンビのように、ふたりの関係だけでチャンスを演出する形がもっとあるのかと思ったが、そういうシーンはほとんど見られなかった。

 結局、レアンドロもレアンドロ・ドミンゲスも、ボールを持ったらサイドのスペースに逃げていくか、ゴール前でずっと居座っている状態が多かった。ふたりにしてみれば、2列目の両サイドを務めた工藤壮人や田中順也に相手DFの背後をとる動きなどを頻繁にこなしてほしかったのかもしれないが、彼らがそうした仕事ができなかったのも、レアンドロとレアンドロ・ドミンゲスが止まっていることが多かったからだ。

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