ザックジャパン、NZ戦直前。「ポスト長谷部」の3人を直撃

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburou

 このところ、日本代表は受難続きだ。

 香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)、吉田麻也(サウサンプトン)が所属クラブで出場機会に恵まれないのは、今に始まったことではないとはいえ、今冬ミランに移籍した本田圭佑もまた、似た状況に陥りつつある。

 加えて内田篤人、長谷部誠が立て続けに負傷。いずれも数週間で復帰できる状況にはなく、長期間の戦線離脱が見込まれている。

 さらには柿谷曜一朗が、発熱を理由に代表選出を辞退。日本代表は3月5日にニュージーランド(NZ)代表との親善試合に臨むが、ワールドカップ前の貴重な実戦機会を前に、多くの不安材料を抱え込むことになってしまった。

負傷離脱者が出るなか、ザッケローニ監督の選手選考に注目が集まる負傷離脱者が出るなか、ザッケローニ監督の選手選考に注目が集まる とはいえ、ザッケローニ監督就任以来、日本代表の主力メンバーは固定化の傾向にあり、なかなか新戦力の発掘が進まなかった。それを考えれば、さまざま続いたアクシデントはむしろ好機。ザッケローニ監督が「ポジティブにとらえるようにしている」のもうなずけるところだ。指揮官が続ける。

「ある選手が出られないということは、ある選手にチャンスが回ってくるということ。チャンスを得た選手が、現時点でどの位置にいるのかをアピールするにはいい機会だと思う」

 そこで特に注目したいのが、ボランチのポジション争いである。

 そもそもボランチは、不動だった長谷部と遠藤保仁の間を割って入るように、昨年11月のベルギー遠征で山口蛍が台頭。ふたりの独占状態は揺らぎ始めていた。

 そんな折に起きた、長谷部の負傷離脱。今回のニュージーランド戦では、ボランチは遠藤の他に、山口、細貝萌、青山敏弘の3選手が選ばれており、激しいポジション争いにはさらに拍車がかかりそうだ。

 遠藤を除けば、過去の代表招集回数が最も多いのは細貝である。所属するヘルタ・ベルリンでもコンスタントな活躍を見せており、実績では最上位と考えていいだろう。

 細貝は「長谷部さんが長い時間ピッチに立っていたので、日本代表にとっては痛手」だとしつつも、ポジション奪取への意欲をうかがわせる。

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