遠藤保仁が分析「今の日本代表は、まだまだ発展途上」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Yuihci Masuda

ブラジルW杯まで101日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第30回:遠藤保仁(前編)

 2年前の2012年6月、ブラジルW杯アジア最終予選が始まる直前、遠藤保仁は「(ザックジャパンの)チームの完成度は、80%」と言った。前年にアジアカップを制して、MF清武弘嗣やFW宮市亮ら若手も代表メンバーに定着するなど、着実にチームが成長していた頃である。

 その後、最終予選を突破してW杯出場権を獲得、コンフェデレーションズカップ(2013年6月。以下、コンフェデ)にも出場した。あれから2年の時を経て、ブラジルW杯を間近に控えた日本代表の完成度はどれぐらいになったのだろうか。

オランダ、ベルギー相手に結果を残しても、決して満足していない遠藤保仁。オランダ、ベルギー相手に結果を残しても、決して満足していない遠藤保仁。 遠藤は複雑な表情を浮かべて、こう言った。

「難しいね。2年前と今の完成度が仮に同じ80%だとすると、今のほうが上なんじゃないかな、と思うけど......」

 そして、すぐにこう続けた。

「2年前は、予選を勝ち抜くためのチーム作りの段階で80%の完成度っていう話をしたけど、今は世界とどう戦うのか、というチームに変わりつつあるからね。(チームの完成度を推し量る)内容が随分と違うんで、単純に比較はできない。ただ、監督が思っていることと、選手がやろうとしていることが、うまく混ざり合ったときのチームの質は、確実に上がっていると思う」

 うまくはぐらかされた感じだった。

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