欧州にも対抗し得るサッカー指導者が日本に生まれた (5ページ目)
例えば守備を固めてカウンター、よくいえば堅守速攻で10回戦って、7~8回勝てそうなサッカーができるのか。たまたま1回負けたからと言ってガタガタ騒ぐのは、まさに結果至上主義者。哲学のない、トーナメント文化に毒された非サッカー的な見方だと言える。
サッカーは運が3割を占める競技。1回の結果で、ああだこうだと言うべきではない。ロシア、ベネズエラ、チュニジアに3連勝した事実を忘れるべきではない と思う。たとえ負けても、次は勝てるかもという気にさせてくれるところが吉武監督の強みだ。ザッケローニとの違いと言ったら怒られてしまうだろうか。
次に希望を抱かせる終わり方こそ、とりわけ若年層のサッカーに求められているものだと思う。そういう意味で、U−17日本チームの敗れ方は美しかった。「敗れるときは美しく」というクライフの言葉通りの散り方をした。哲学的な敗戦を喫した。哲学のない敗れ方より、よっぽど意義があると僕は思う。
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