福西崇史が語る「ジュビロ黄金期の真実」 (3ページ目)

  • 徳原 海●取材・文 text by Tokuhara Kai 岡田 潤●撮影 photo by Okada Jun

■ジュビロ再建に向けて、今がふんばりどころ

 今、ジュビロは厳しい状況にあります(28節終了時点で17位と降格圏)。僕らの時代に長く同じメンバーで戦ってきたデメリットとして、世代交代がうまく進まなかったことも要因のひとつかもしれません。ただ鹿島のように浮き沈みなく常に高いレベルを維持しているチームもあります。今がジュビロ磐田というチームのふんばりどころ。いいプレイを見せればサポーターはまた応援してくれる、そしてスタジアムが埋まれば選手も奮い立つ、そういう良い循環を取り戻すために、気持ちを見せるときがきてるんじゃないかなと思います。

 もちろん今の選手たちだって一生懸命プレイしている。ただ、観客を惹き付ける何かが少し足りない。それは今のJリーグ全体にもいえることで、「こんなことができるんだ、やっちゃうんだ」っていうワクワク感のあるプレイや、何が何でも負けたくないっていう思いがこもったプレイ。そこに見る人は惹き付けられると思うんです。Jリーグの今後のさらなる発展のためにも、そういったプレイや熱い試合がどんどん増えていってほしいですね。

プロフィール profile
福西崇史 Takashi Fukunishi
1976年9月1日愛媛県生まれ。
95年にジュビロ磐田入り。同年に加入したドゥンガに影響を受け、ボランチとして開花。後に中山雅史、藤田俊哉、名波浩らとともにジュビロ黄金時代を築く。その後FC東京、東京ヴェルディでもプレー。代表としては02年の日韓、06年のドイツと2度W杯に出場。09年に引退後、サッカー解説者として活躍。今年6月には著書『ボランチ専門講座』が発売。

【Infomation】
10/10発売のメンズノンノ11月号では、こちらのインタビューと連動する形で「祝20周年! 今だからこそ振り返る。 Jリーグの話をしよう。」という特集を掲載。
福田正博、山口素弘、福西崇史の3氏のインタビューのほかにも、メンズノンノ誌面に登場した若き日本代表選手たちのクロニクルや、ファッション業界のサッカー好きが語るJリーグの名場面といった見逃せない企画満載です。
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