セルビア戦0-2も当然。勇気を失ったザックジャパン

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 10月、11月と続く欧州遠征初戦のセルビア戦は、日本代表にとって、勝負に集中するのが難しい試合だったのは間違いない。

「国際レベルでの経験値をさらに高めたい」(ザッケローニ監督)とやってきた、今回のヨーロッパ遠征。その第1戦となるセルビアとの試合は、長くセルビア代表の中心として活躍したデヤン・スタンコヴィッチの引退試合として行なわれた。

0-2とセルビアに敗れ、試合後にうなだれる日本代表の選手たち0-2とセルビアに敗れ、試合後にうなだれる日本代表の選手たち 選手入場後にセレモニーが行なわれ、さらにキックオフから10分が経とうというところで試合は中断。先発したものの途中交代となったスタンコヴィッチを、両チームのメンバーが花道を作って送り出す。その後、主役に代わってラドヴァノヴィッチが投入され、試合再開となるのだが、ピッチ脇で記念撮影を行なうスタンコヴィッチに、試合そっちのけでスタンドからは盛大な拍手が送られる。

 これでは選手が試合に集中できなくても無理はない。事実、日本の選手は前半なかばまでミスを連発し、セルビアに主導権を握られた。

 だが、惜別ムードに浸るセルビアにしても、決して出来がよかったわけではない。次第に落ち着きを取り戻した日本はパスがつながるようになり、日本がセルビア陣内に攻め入る時間が長くなった。

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