ザックJ不動のDF今野泰幸「代表が楽しくなくなった」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

ブラジルW杯まで244日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第23回:今野泰幸

 6月のコンフェデレーションズカップ(以下、コンフェデ)で3連敗を喫し、その後、8月のウルグアイ戦で2-4と完敗した日本代表。9月に行なわれた親善試合のグアテマラ戦とガーナ戦では、それらの敗戦で課題に挙がったディフェンス面を、どう建て直していくかが重要なテーマとなった。

 結果は、グアテマラに3-0で勝利し、難敵ガーナにも3-1と快勝。ガーナは主力を欠いていたとはいえ、3試合で9失点したコンフェデや、大量4失点を喫したウルグアイ戦から比べると、2戦を通して課題の守備は回復の兆しが見られた。

課題が浮き彫りになった代表の守備について頭を悩ます今野泰幸。課題が浮き彫りになった代表の守備について頭を悩ます今野泰幸。

 守備陣の主力である今野泰幸は、何か手応えを感じたのだろうか。

「(グアテマラ、ガーナと対戦する直前の)合宿中に、チームで(守備の)ラインを合わせる練習や、組織で守る練習をしたので、その効果は試合でも確かに見られました。でも、『あッ、今(敵に)パスを出されたらヤバい』とか、『相手がミスしないで(パスを)つないでいったら危ない』とか、世界のトップが相手だったらどうなっていたんだろう、というシーンが結構あった。組織的な守備はまだ完璧じゃないですし、(コンフェデやウルグアイ戦で)失った自信は『回復しました』とは、まだ言えないですね」

 それでも、グアテマラ戦、ガーナ戦の2試合を見る限り、守備面では多くのことが修正されていた。前線からの守備は徹底されていたし、ザッケローニ監督がウルグアイ戦で不満をもらした最終ラインのラインコントロールも、以前よりは統制がとれていた。

「前線からの守備は、チームで『きちんとやっていこう』というミーティングをしたので、(本田)圭佑や(香川)真司らも積極的に(守備を)やってくれて良くなった。でも、全体の(守備の)連動という部分では、まだまだかな、と思います。

 ラインコントロールは、なかなか難しいですね。(合宿でも)練習を繰り返してきたけど、ラインを上下するには、ラインの並びを見ないといけないし、ボールと(自分が)マークする敵も見ないといけない。しかも、相手(の攻撃)に対して数的優位を作っていきながら、チャレンジ&カバーをやらないといけない。見ること、やることが多くなったうえに、瞬時の判断を求められることが多い。そうした状況の中で、ラインの上げ下げをスムーズにできるようにならないといけない。それを完璧にするのは、すごく難しい。だから、この2試合でも『完璧にラインコントロールができた』とは言えないです」

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