大迫と柿谷に宿題。日本の1トップが抱える「永遠のテーマ」とは?

  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

名波浩の視点

 日本代表が3-0でグアテマラに勝利した。正直、相手の実力がかなり劣っていたため、日本が抱えている現状の課題などを評価するには難しい試合となった。

1トップで先発出場を果たした大迫勇也。果敢にゴールを狙っていた。1トップで先発出場を果たした大迫勇也。果敢にゴールを狙っていた。
 それでも、こういう守備をやっていこうというのは、選手たちのプレイからは伝わってきた。ひとつは、攻守の切り替え。ボールを奪われたあとも、選手ひとりひとりが素早く対応して、攻撃から守備への切り替えを早くすることを、非常に意識してプレイしていたと思う。

 もうひとつは、相手ボールに対する追い方。最初にチェックに行く選手から、うまくコースを限定した追い方、プレッシャーのかけ方ができていた。そして、あとひとつは、ボールの取りどころ。3、4人の選手のイメージが合致して、一気にスピードを上げてボールを奪うシーンが見られた。その辺のイメージの共有はだいぶできていたように感じる。

 最終ラインも、ラインを上げる、下げるという細かい上下動がよく統一されていた。相手のレベルを考えれば当然なのかもしれないけれど、守備が破綻することなく、選手個々の動きに混乱は一切見られなかった。

 問題は、次のガーナ戦や、10月の欧州遠征で戦う相手にも、この日のような守備ができるかどうか。自分たちで守備というものを課題に挙げているからには、セットプレイも含めて、そうした試合でも失点しないようにしなければいけないだろう。それが、来年のワールドカップで上位に食い込むためのポイントになるはずだ。

 攻撃に関しては、やむなく引いた相手をどう攻めるか、ということがテーマになってしまったけれども、選手それぞれがよく考えながらプレイしていた。1トップの大迫勇也は、ミドルシュートを何本か打って相手をおびき出していたし、ボランチの遠藤保仁や長谷部誠も、後ろから飛び出してくる選手という役割を担って、高い位置でプレイしてチャンスを作っていた。が、できれば、もう少しサイドから攻めればいいのにな、というふうに見えたのが前半だった。

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