FC東京・森重真人は、守備崩壊のザックジャパンを救える男か (2ページ目)
折しも現在の日本代表は多くの失点を重ね、守備に問題を抱えている。もちろん、誰かひとりを入れ替えたところで、すぐに問題が解消されるわけではないだろう。だとしても、攻撃陣同様、チーム内に競争原理を持ち込むためにも新戦力がもっと積極的に活用されていい。
その点においては、東アジアカップ、特に優勝を決めた韓国戦で出色の活躍を見せた森重に、ウルグアイ戦で出場機会が与えられなかったことが残念でならない。ザッケローニ監督の言葉どおり、本当に「コンフェデレーションズカップ後は、全員がスタート地点に戻って、イチから競争が始まる」のなら、ぜひとも森重を主力組の中でプレイさせてみたかった。
森重自身にも、少なからず期待するところはあったのではないだろうか。実際、彼は東アジアカップ後、こんなことを語っている。
「正直、楽しむ余裕はほとんどなかったが、日本代表のやり方や自分の立ち位置など、いろんなことを考えながら(東アジアカップを)過ごせた。全体的な印象では、できた手応えはある」
2シーズン前まで、FC東京でセンターバックコンビを組んでいた今野泰幸も、日本代表ではライバルになる。そんな先輩DFについて、森重は「今野さんのスゴさは、一番わかっているつもり」だと言い、こう続ける。
「(自分には)まだ足りないところもあるし、(今野に)勝っているところもあると思う。だから、また上を見ながらチーム(FC東京)でやるべきことをやるだけ。それがいい結果につながればいいし、ダメならまたやり直す。その繰り返しです」
2007年U-20W杯、そして2008年北京五輪と、年代別代表で国際舞台を経験してきた森重だが、日本代表(A代表)となると、東アジアカップがデビュー戦だった。
それでも、相手の攻撃を確実にはね返す高さと強さ、そして攻撃の組み立て役を担ううまさは、高評価に値した。続くウルグアイ戦で、再び日本代表に加えられたのも当然のことだ。もう一度試してみる価値は、間違いなくある。
だからこそ、守備の不安が拡大する一方の日本代表で、早く森重のプレイを見てみたいと思う。と同時に、森重には常にその期待にふさわしいプレイをJ1で見せてもらいたい。
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