若い北朝鮮にスコアレスドローも、なでしこに新たな攻撃パターン (3ページ目)

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 しかし左右にボールを散らしながらのコンビプレイは北朝鮮のDF陣を混乱させた。他にも練習で取り組んできた、パスを出してからの前方への走り出しのタイミングも、徐々に互いのイメージが合いつつあるのが感じられたし、狭いスペースながらDFの背後への鋭いラストパスも増えた。

 後半29分には、大野、川澄奈穂美、大儀見優季らが細かくパスをつないで、最後は大野がシュート、ブロックにあったこぼれ球を大儀見が詰めるがGKの好セーブに阻まれた。後半39分には途中出場した岩渕真奈が魅せた。宮間からのボールを相手DFを背にして受けると、得意のターンでコントロールし、GKと1対1に。左足で狙ったシュートはまたしても好セーブに遭う。前半と打って変わって後半は実に11本ものシュートを浴びせた日本。この試合で代表100試合出場の節目を迎えた大儀見は、「無得点に終わったのが悔しい」としながらも、「今までになかった攻撃の形もできるようになった」と、ドローの中にも可能性を見出していた。

 3連覇のかかった最終戦は中一日という強行スケジュールで行なわれる。韓国はすでに2連敗を喫しているが、地元開催の意地もある。いつもの集中力でプレスをかけてくるに違いない。このしぶとい韓国の守備網をどう破るのか。北朝鮮との一戦を糧にできるか、なでしこ達の修正力に注目したい。

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