中国戦で見えた光明。ザックジャパンの新たな楽しみとは?
2点のリードを守り切ることのできなかった試合は、どこかコンフェデレーションズカップでのイタリア戦(2点リードから3-4の逆転負け)を思い出させる。
東アジアカップの初戦、日本は中国と対戦し、3-3で引き分けた。スコアだけを見れば、コンフェデの悪いイメージを再び想起させられるような後味の悪い結果である。
1ゴール1アシストで自らの特徴をアピールした柿谷曜一朗 しかし、試合内容としてはそれほど悪いものではなかった。時間帯によって浮き沈みがあったのは確かだが、おおむね選手たちは自分の特徴を発揮し、それをチームというひとつの枠組みのなかで機能させることができていたと思う。「意外とやるじゃないか」というのが率直な印象だ。
ザッケローニ監督は試合前、選手たちに「最低限の約束事でバランスを保ちながら、自分たちの得意なことをやってくれ」と話したそうだが、まさにその通りのゲームだった。
たとえば、相手を怖がって横パスをつなぐばかりではなく、ボランチの青山敏弘やセンターバックの森重真人のところから、効果的な縦パスが入っていたし、1トップの柿谷曜一朗やトップ下の高萩洋次郎がうまく小さなスペースを見つけ出して、これを受けていた。
全体のポジショニングを見ても、2列目が中央に集まってきてしまう海外組(レギュラー組)中心のときよりも、むしろバランスはよかったくらいだ。
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