再開したJ1で次期代表候補が躍動。
ザックジャパン下剋上が始まった

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 もっとも、アピールに努めているのは、若手ばかりではない。

 この日、等々力陸上競技場で「オレにも代表の資格がある」と言わんばかりの活躍で最も輝いたのは、先月9日に31歳になったばかりの、川崎のFW大久保嘉人だった。

10得点でランキングトップに躍り出た大久保嘉人。ザッケローニ監督にアピールした10得点でランキングトップに躍り出た大久保嘉人。ザッケローニ監督にアピールした 7分には裏に抜け出し、絶妙なヒールパスでレナトのゴールをアシストすると、36分にはゴール前で巧みにマークを外し、風間宏矢のクロスにワンタッチで合わせてゴール。51分にもマークを振り切ってゴール前に進入すると、レナトのパスを流し込んだ。

 大久保が1試合2ゴールを決めるのは、今季3度目。これで10ゴールとして得点ランクのトップに立つと、J1通算ゴール数も99まで伸ばし、大台に王手をかけた。

 試合後、日本代表入りの可能性について訊かれると、「(代表メンバー発表まで)まだ時間があるから、それまでにできる限り点を取らんとね。みなさんも書いておいて下さい。まあ、ザックは見ないと思うけど、原さん(技術委員長)は見るでしょ(笑)」と、冗談を交えながら、昨年2月以来の代表復帰を熱望した。

 果てしない可能性を秘める若者たちと、まだまだ成長を止めないベテランたちの競演がJ1を面白くしている。
 
 果たしてザッケローニ監督は、どのような陣容で東アジアカップに臨むだろうか。

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