藤田俊哉×名波浩が推薦「代表で試してほしい国内組FWが5人もいる」

  • 小室 功●構成 text by Komuro Isao
  • 高橋 学、益田佑一●撮影 photo by Takahashi Masabu,Masuda Yuichi

藤田俊哉×名波浩が分析する
2013年Jリーグの情景(2)

コンフェデレーションズカップで3連敗を喫した日本代表。1年後に迫ったW杯本番に向けて、何より求められているのは「変化」だ。とりわけ、チームに新風を吹き込む新戦力の台頭が待望されている。7月6日から再開されるJリーグでは、まさにその候補となる選手たちの活躍が期待されるが、解説者の藤田俊哉氏と名波浩氏が注目しているのは誰か、リストアップしてもらった。
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13節終了時点で得点ランキングトップタイの9ゴールを記録している柿谷曜一朗。13節終了時点で得点ランキングトップタイの9ゴールを記録している柿谷曜一朗。
――Jリーグがいよいよ再開されますが、各クラブの動向とともに気になるのは、やはり選手個々の活躍です。日本代表の新たな戦力という意味合いも含めて、おふたりが目をつけている選手はいますか。

藤田 やっぱり、セレッソ大阪のFW柿谷曜一朗だよね。ゴールに向かう勢いがあるし、(自分の)後方から来るボールに対するコントロール、トラップにはすごくセンスを感じる。おまけに、今は「自分が点を取って試合を決めるんだ」という意欲や喜びを感じながらプレイしているのがいいよね。以前は、あんなにゴールに向かっていくタイプじゃなかったから。中盤でテクニックを見せて、それで「サッカーって、楽しいな」という感じで終わっていた。

名波 確かにね。J2の徳島ヴォルティス(2009年6月~2011年まで在籍)にいた頃は、まだそんなイメージ。中盤の左サイドで"遊んでいる"ようだった。

藤田 でも、巧かったよ。(自分が)J2のロアッソ熊本にいるとき、実際に柿谷のいる徳島と対戦したことがあるけど、彼の印象だけはすごく残っているからね。

名波 今季もスーパーゴールを何本も決めているけど、Jリーグ第5節(4月6日)の鹿島アントラーズ戦のシュートもすごかった。結局、鹿島のGK曽ヶ端準が防いでCKになったんだけど、あのシーンは見てない?

藤田 見たよ、見た。あれは、圧巻だったね。

名波 味方GKからのボールを、右足を高く上げてトラップすると、そのまま一発で前を向いてミドルシュートを放ったんだけど、あれは強烈だった。プレイの発想がもうね、他の選手とは違う。そのうえで、俊哉が言うように、気持ちがいつもゴールに向かっている。だからこそ、ああいうプレイができるんだけど、すごく好感が持てる。

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