コンフェデ3連敗を総括。日本の問題は華麗なパスワークにこそある (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • スエイシナオヨシ●写真 photo by Sueishi Naoyoshi

 日本に足りないのは、ボール支配率を高めようとする意識。ゲームをコントロールする感覚だ。流れをつかもうとする姿勢だ。それなしには精神的に優位には立てない。

 日本はイタリア戦でもスタンドを湧かせた。瞬間、瞬間で、きらりと光る芸を披露した。イタリアを慌てさせた。だが日本ペースで戦えなかった。光るプレイは見せたが、イタリアにゲームをコントロールされた。

 日本に欠けているのは、ゲームを支配するためのパスワークだ。多くの人が、「バルサのサッカー」を口にするが、その真髄である支配率の高め方について言及する人は少ない。追求している人も少ない。

 日本はパスコースが不足しているのだ。ピッチに描かれる三角形の数が少ない。動きすぎて、三角形(パスコース)潰してしまうポジショニングの悪い選手もいる。

 香川はその典型的な選手になる。90分の流れをつかむ動きに、彼はほとんど貢献していない。

 ザックの采配、指導力が限界に来ていることは間違いない。メキシコ戦で3-4-3を見たときには、思わず絶句してしまった。

 だが我が協会には「代える力」が欠けている。これもまた事実。無力感に襲われるが、悪いところ、まず直すべきところはハッキリしている。日本人選手に染みついたパスワークの概念を訂正してくれる指導者こそ、新監督に求められる資質だと僕は思う。

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