ブラジル戦で浮き彫りとなった「香川×本田」共存問題

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

ブラジル戦では香川真司が左サイド、本田圭佑がトップ下を務めたブラジル戦では香川真司が左サイド、本田圭佑がトップ下を務めた 昨年10月以来となったブラジルとの対戦で、ザッケローニ監督はまたしても奇襲を仕掛けた。

 前回、日本はパスをしっかりつないで真っ向勝負を挑み、結果、0−4の大敗。しかしチームは、自信や手応えを手にしていた。このときのザックジャパンは、本田圭佑の1トップとも、本田と中村憲剛の2トップとも言えるフォーメーションで臨んでいる。試合どころか、「練習でも試したことがない」(中村)新しい布陣だった。

 一方、今回は岡崎慎司を1トップで起用してきた。これは、今年2月のラトビア戦で前半に試している形。とはいえ、決して機能したとは言えなかった。

 ラトビア戦の試合後、ザッケローニ監督自身は、「彼(岡崎)の一番いいポジションはセカンドトップであり、センターフォワードが作ってくれたスペースに飛び込む場面で彼の良さは出る。センターフォワードでは(相手を)背負うプレイが多くなってしまうが、セカンドトップであればゴールに向かうことができる。これだけ得点能力のある選手なので、ゴールに向かいながらプレイすると、さらに彼の良さが出る」と語り、1トップ起用の失敗を認めるような発言をしている。それなのになぜ、再び岡崎を1トップで起用したのだろうか----。

 ザッケローニ監督は起用した理由について、このように語っている。

「相手のディフェンスラインの特徴を考えた上で、彼が適任だと考えた。相手の深いところまで行ってクロスを上げても、相手のセンターバックが空中戦に強いので、チャンスはあまりない。そこでボールをDFの裏に出す2列目に技術レベルの高い選手を入れることにした」

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